ヘッダー画像

6月18日杉下初男さん講演会(終了)ご来場ありがとうございました

第15回一緒に考えましょう講座の講師 杉下初男さんの紹介

今中哲二先生たちと開催した3月の東京大学シンポジウムは、出席者が溢れて階段にまで座る盛況でした。大量に用意した資料が払底し、あとはネットで公開しますと発表せざるをえませんでした。市民の知りたい気持ちと、何ができるかという心が主催者を強く励ましたのです。(http://iitate-sora.net/symposium

福島県飯舘村長泥地区から来られて体験を話された杉下初男さんを、今回は札幌にお招きします。是非、みなさんに杉下さんの体験を知っていただきたいと考えます。

杉下さんは長泥に四世代で暮らす家を構えておられます。長寿のお母さんと、美人の奥さん、娘息子夫婦と幼い孫達が杉下さんの宝でした。

長泥は自然の水系を活かし化学物質を使わぬ伝統農業を大切に守って来た地区です。福島第一原発事故により被曝した飯舘村の中で、長泥地区は最も通知が遅れて、避難が遅れた地域でした。当時も取り残され、現在も他の地域に比べて知名度は高くないのですが、その被害は最も悲惨と言わざるを得ません。

杉下さん一家は何も知らされず現地で生活していたのです。避難時には放射能被曝検査を受けさせられ、異常なしと言われたそうです。しかし成田に避難した時に地元の消防署に頼んで、再度、奥さんと被曝検査を受けたところ、高い数値が出て驚きました。

杉下さん一家は現在、お母さんは沖縄に避難してもらい、子供と孫たちは各地に分断されました。奥さんと福島に避難している杉下さんは、長泥に通って故郷の復興のために努力を重ねておられます。高齢のおかあさんはこれ以上、異郷の沖縄に預けておけないと同居を決意する一方、若い娘息子と幼い孫たちは決して故郷に近づけられないという悲壮な覚悟です。しかも故郷の再興計画の中で、地元住民は幾重にも分断させられているのが現状です。

知らないことがどれほどあるのだろう、と杉下さんの講演を聞いて考えました。また復興の試行錯誤がどれほど、地元の共同体を壊しているのか、とも考えこんでしまいます。強く、凛として故郷のために献身する杉下さんから、私たちは多くの事を学べると思います。当日は授業の一環でもありますので、北大の学生たちと一緒に考えましょう。

みなさまのご参加を心よりお待ちしています。

第15回一緒に考えましょう講座「飯舘村のいま」

講師 杉下初男(元長泥地区長、伊達方部飯舘自治会長)

日時 6月18日(火) 午後4時30分から6時30分
場所 北海道大学高等教育推進機構(旧教養部)3階E-311

前後へのリンク

コメント




▲ページの先頭へ戻る